近年、より安全に確実にそして患者さんの負担軽減(低侵襲)となる治療法
として、CTデータによるシミュレーションを応用したサージカルガイドを用いた術式が多々報告されてきています。ガイドを用いた術式により、設計通りの術野へのアプローチ、確実なインプラント埋入、即時義歯の事前の作製、後の補綴の設計が可能となります。またこのことは、ひいては予知性を高める治療になります。しかしその反面、ガイドの不一致、たわみ、破損等の報告や誤操作、システムの不理解から起こるトラブル等報告されてきているのが事実です。より安全で確実なサージカルガイドの開発、提供は術者にとって望むことであり、安心して手術に臨むことを可能にします。
マテリアライズデンタルジャパンのシンプラント(SimPlant®)で設計したサージガイド(SurgiGuide®)は、従来のクラシックガイドとセーフシステムの他に、新たなラインナップとしてユニバーサルサージガイド(Universal SurgiGuide®)が加えられました。骨支持、歯牙支持、粘膜支持は従来通りですが、ガイドは一つになりました。ドリルキーをそれぞれのシステムにあわせて選択することで、いろいろなメーカに対応させたガイドです。また、シンプラントで設計し、各社インプラント専用のサージカルキットを用いた、インプラント埋入まで可能なガイドとなってくる予定です。汎用性があることは何種類かのシステムを導入している施設においても助かります。
今回、スタティックガイド全般の特徴、応用および適応症、現在の問題点等を考え、ユニバーサルガイドが従来のガイドと改良された点、また他社製のガイド比較した際の特徴と使用するにあたって知っておきたいこと、日常私が臨床で注意している点等を、症例を通して呈示し報告致します。