患者さんのライフスタイルに合わせた治療を
診療方針は、“患者さんの夢をかなえる治療をすること”。
「患者さんに喜んでいただけること(プラスアルファ)がコンセプトで、患者さんのために何がお手伝いできるかが最重要と考えます。口腔内だけを注視する余り、その患者さんの全体像を見失う「木を見て森を観ず」な医療ではなく木を観て、森を観て、季節を観る医療でありたいですね。病を診てその人全体を診ることが大事だと思います。」
そのために、患者さんのライフサイクル(季節)に合わせた治療を心がけていらっしゃるとのこと。
「患者さんの生涯での治療のタイミングが大事だと思います。たとえば3人の子育て中の方にインプラント治療のような高額な支払いは難しい場合が多いです。なのでこのような場合には、子育てが一段落するまでの間に別の対応をご呈示して、その先の展開を考える。60代の患者さんなら、親の介護が始まるなど、生活の変化があります。治療期間中に何が起こるかわかりません。季節、つまり患者さんのライフサイクルを配慮した上で、今すべき事と後からでもできることを区別して考えています。ですから治療にゴールはないとも言えるでしょう。一緒にマラソンしている感覚で、その患者さんを生涯にわたってみさせていただくことが私にとっての包括医療であり、最高の幸せです。」
経営については、
「新しい患者さんを獲得しようとは考えていません。今現在診ている患者さんに一生懸命に取り組むことで、医院のファンになっていただく。その患者さんに喜んでいただく。そして、感動の伝播が自然に人伝えで紹介になっていく。ですから、私に経営のコンセプトがあるとしたら、患者さんを増やすのではなくファンを増やそう!です。
ネットワークで患者さんを優しく包み込む
「診査診断のためのCT撮影は、患者さんにご足労願い、近くの4カ所の病院に依頼しています。同時に術前検査をお願いすることもあり、近隣の先生や病院とのネットワークが形成されて行きます。経営ツールとしては、Dental10や自作のソフトをフルに活用しています。患者さんとの連絡、予約の確認、変更や術後の注意等は携帯電話のメールを利用しています。コンピューター機器はコミュニケーションツールとして使い、患者さんと一緒に見て共感を作り上げています。いろいろな機器やシステムを導入することで 最近良く差別化をはかると言われますが、差別化という言葉は使いたくありません。しいて言えば、区別をするということです。」勝ち組になるという言葉も良く耳にしますが、そうではなくこの業界の皆が良くなることを考える方が良いと思っております。
「ミーティングでは、各スタッフが必ず何か発言するようにして、『特にありません』とは言わないルールにしています。感動したこと、よかったこと、おもしろかったこと、気がかりなことなど、何かしらの話をします。週一度は、スタッフ、歯科医師同士の1時間半のミーティングをしています。症例検討会は、木曜の午後や診療が終わってから、歯科医師や歯科衛生士と行っています。」
スタッフ教育のマニュアルには「ディズニー7つの法則」(日経BP社発行)を使う。
「スタッフの採用時やアルバイトには全員に読んでもらってディスカッションし、共感できる方と仕事を一緒にするようにしています。スピリッツやコンセプトを共有したいと言う事ですね」